藤保 修一さん:人の繋がりを大切にする動画制作クリエイターが感じた「各界のハブとなる人が集まる空間の魅力」 HUB入居者インタビュー(2)
LIFULL HUBをご利用いただいている入居者インタビューの第2回目です。
今回は、HUBを利用いただいて3年目となる、合同会社クロステリア代表の藤保修一(ふじやす しゅういち)さんにお話を伺いました。
元々はテレビマンだった藤保さんが、動画プロデュース会社の起業に至るまで経験してきたこと、そして、LIFULL HUBを利用するきっかけや、今後思い描いていることなど、興味深い話が目白押しです!
仕事内容について
全国に100組ほど点在しているクリエイター、カメラマン、CGチームとともに、様々な企業の動画制作プロデュース事業を行っている会社を2017年8月に起業し、現在に至ります。
年間100本ほどの動画制作に携わっており、地域の案件の場合は、私が出向くこともありますが、リモートで現地のスタッフに撮影してもらうケースも多いです。
私が元々テレビのディレクター時代に、テレビ番組の撮影で20カ国ほど行っていた経緯から、海外拠点にも協力いただけるメンバーがおります。
彼らの力を借りて海外での取材でも、日本国内と同様に、現地での撮影風景をリアルタイムで配信しながら、すぐに撮った素材を送ってもらい、お客様とその場で確認しています。
CG、アニメーションなど、現場に立ち会わない動画を作る際も、SkypeやzoomなどのWeb会議ツールを使い、会わずに案件を進めていけるのが強みです。
今でいうオンライン海外撮影でしょうか。
クライアントから案件を受けた段階で、お客様がこういう動画を作りたいという要望を引き出し、「こういうグラフィックだったら、この地域の人が得意かもしれない。」など、人と専門性を結びつける思考(脳内SEO)が私の頭の中で駆け巡ります。
そして、私がハブとなって、どのメンバーと一番やるのがご満足いただける動画をお届けできるかということを意識しながら、費用面やアサインできるメンバーのスケジュールを考慮した上で、クライアントのイメージに合ったメンバーをアサインしています。
テレビマンからインターネットの世界へ
テレビ業界に13~14年いた中で、色々なジャンルの番組に携わることができました。
その後、web業界に移り、追い求めるものも、担当していた番組の視聴率から、web業界におけるシェア獲得に変わっていきました。
テレビ業界にいた頃から、「かっこいい映像を作りたい」想いが強く、私が好きなショートムービーの監督に、オファーメッセージを送りました。
少し時間が経ってから、その監督から返信が来て、お会いすることになりました。
監督にお会いすると、当時のインターネットのカリスマを知っているかと聞かれ、私は答えることができませんでした。
その後、監督からとあるインターネット企業を紹介してもらい、当時はまだ普及していなかったインターネットの番組「Blog TV」にプロデューサーとして携わることになったのです。
テレビ制作とは全く違ったインターネットの面白さを知る
ある日、会社代表から、「リオでインターネットのサミットをやっているから、取材してこい」と言われ、単身で乗り込みました。
サミットには、今では名立たるインターネットサービスの創業者が集まっており、そこで発表されることが、インターネットで世界中に広がっていくのを目の当たりにして、インターネットの面白さを知りました。
その後携わったTwitterを使った番組制作では、まだTwitterが広まっていない時期に、どこにも告知していないのに、200人のαブロガーがTwitterを通して集まってくる!
テレビとは全く違う面白さを感じました。
テレビ制作では、作ったものを放送局に納品して、視聴者は決まった時間にチャンネルを合わせないといけないスタイルだったものが、インターネットだと、いつでも誰かが作ったものをインターネットで流せて、決まった時間に流す必要がない、しかも共感が得られればシェアしてもらえる感覚が、今の動画制作に軸足が向くきっかけとなる貴重な機会だったのです。
動画制作会社をつくるきっかけは”思わぬ”勘違いから生まれた
インターネットの番組に携わることで、色んなメンバーとコラボして、インターネット動画を作る機会が増えました。
ある日、動画クラウドソーシングという言葉を耳にして、クラウド上で動画が勝手にできてしまう時代が来たのかと思ったのです。
慌てて、「クラウドソーシング、グローバル、動画」で検索したら、90Seconds (90セカンズ)という会社に出会い、約2年間在籍することになりました。
クリエイターが作った動画を、90Secondsが用意しているプラットフォーム上にアップロードし、クリエイター同士をマッチングさせるサービスを利用しているうちに、(動画のニーズが広まっていき、登録しているメンバーも増えていく中で、)自分の知っているメンバーと一緒に、お客さんに合った動画を作っていく方があうかもしてないと思ったのが、起業のきっかけでした。
LIFULL HUB入居のきっかけ
一緒に動画制作を行うことになった知人がHUBを利用していて、知人との打ち合わせでHUBを訪問しました。
素敵な空間という印象が体中を駆け巡ったのです。
ちょうどその頃、起業したばかりで、お手頃な料金で利用できる作業スペースを探していました。
自宅以外に席を置いておきたいことや、お客様との打ち合わせスペースがあったこと、十分な作業スペースもあり、登録させていただきました。
LIFULL HUBの印象は?
HUBの規模感がいいですね。
シェアオフィスだと、人数が多かったり、向かい合っていないところもあるので、誰が利用しているのか分からないことが多く、交流をとりにくいですが、誰が出入りしているか、どんな仕事をしているか、顔が分かるところがちょうどいい規模感だと思います。
また、立ち話がしやすく、定期的に入居者同士の交流会も行われていて、自由に交流できる空間がいいと思います。
打ち合わせなどでお客さんが来た際は、この素敵な空間をシェアしたい想いから、HUBの紹介をしています。実際にドロップインで使ってくれた方もいます。
LIFULL HUBから生まれた共創事例
HUBの交流会や立ち話で、お互いやっていることを気軽に話せたことで、入居者同士でお仕事させていただく機会も生まれました。
入居者の方から、海外のチームを紹介してもらったり、相談を受ける機会もありました。
HUBに入居してから、印象に残っているのは、HUBを利用しているDATAFLUCT社と、会社の紹介動画を制作させていただいたことです。
ホームページに書かれていることをベースに、DATAFLUCT社代表の久米村さんがフェス好きとお聞きしていたので、音楽はお任せして、フェスの音楽に合うナレーションを入れるなど、依頼者が表現したいことを汲み取りながら制作することができました。
HUBは、各界(ライター、動画配信、ブロックチェーン事業、経営コンサル、DXコンサルなど)のコネクターが自然に集まる空間でもあり、コネクター同士から色んな共創事例も生まれやすい空間だと思います。
クリエイターが集う空間づくり
今後は、動画制作以外にも、クリエイター版の空間づくりに携わりたいと思っています。
ビジョンマップ(twitter vision)というものをご存知でしょうか?
現在は終了していますが、googleマップにtwitterのツイートをマッピングしているサービスで、私の仲間や別の人の仲間などの状況が、マップ状で俯瞰して一覧で見れるものです。
今は、自分のコミュニティしか見えていないけれど、私の仲間や別の人の仲間などの状況をリアルタイムに見ることができれば、もしかしたら他の人が困っている案件を、私が手伝えるかもしれません。そうすると自然と横のつながりが出来上がってきて、今までなかった人間関係が生まれてくるのが、とても面白いです。
このビジョンマップ(twitter vision)をもとにした、クリエイターが集うリアルな空間を作ってみたいです。
例えば、得意分野ごとに部屋を分けて、お客さんがその空間を訪れた際に、直接目当ての人に会うことが出来たり、紹介できるような空間、そして、フリーランスの方などが1人でフラッと来れるような空間づくりができたらと思っています。
HUBのクリエイター版の空間を作りたいですね(笑)
また、この空間だけの通貨を作って、案件やメンバーを募ることができる仕組みを作りたいと思っています。
編集後記
「色んな人と人をつなぐこと」を凄く意識されており、そこから人と人との化学反応を起こす面白さがインタビューを通して伝わってきました。
最近も前回インタビューさせていただいた松田然(まつだ もゆる)さんとの共同プロジェクトも立ち上がったと伺い、さらに面白いコラボが生まれそうです!
藤保さんも利用している固定デスクですが、空きがありますので、ご興味ある方は、以下のページをご覧いただき、内覧見学などをご検討ください。